今年2019年、開湯から100年という節目を迎えた上士幌町のぬかびら源泉郷。人気の宿はいくつもありますが、中でも「糠平温泉中村屋」のおもてなしは、宿泊客の気持ちに寄り添ってくれると評判を呼んでいます。もちろん、お湯の素晴らしさは言わずもがな。一体どんなお宿なのか、覗いてみましょう。
帯広から路線バスに乗って1時間40分。中村屋の玄関先にかかった暖簾が、宿泊客を出迎えてくれます。
もとは客室が50以上もある温泉ホテルだったといいますが、現オーナーは客室を19にまで減らしました。スタッフの心遣いがお客さんひとりひとりに行き届く、おもてなし重視の宿として生まれ変わったのです。
館内に一歩足を踏み入れると、なんだか懐かしいような、ほっとした空気に心が和みます。木をふんだんに使った内装は重厚感がありつつ、同時に親しみも感じさせてくれます。
先述した通り、リノベーションによりグッと客室数を減らしたという中村屋。その結果、1室1室が広々として、従来の温泉宿とは一線を画す、個性的で居心地のいい客室が誕生しました。
やはり客室にも木を使ったスペースが多く、窓から見える自然豊かな風景も、飽きることなく眺めていたくなります。
客室の片隅には、なんとさまざまなタイプの枕が用意されています。旅先で枕が合わなくて困った……なんて人も多いでしょうが、中村屋では、そんな心配は無用のようです。
さて、気になる温泉ですが、それはもう100年も続く伝統のぬかびら源泉郷だけあって、間違いのない素晴らしい泉質です。やはり木が使われた趣のある大浴場は、ナトリウム塩化物炭酸水素塩泉。もちろん循環なしの源泉かけ流しです。
大人500円、小学生300円、幼児200円で、日帰り入浴も可能です。詳しい料金、入浴時間などは、宿の公式サイトでチェックしてみてください。ただし、中村屋はおもてなしが評判の宿。やはり宿泊して堪能するのがおすすめです。
中村屋には、露天風呂もあります。露天風呂へ向かう階段を上っていると、なんだか秘密の場所へ誘われているような気分でワクワクします。
野趣溢れる露天風呂は、季節ごとに変化する景色を楽しみながら入浴できます。フィンランド式のサウナまであるので、利用したい人はぜひ宿に問い合わせてみてください。
また、照明を消すことのできるスイッチもあり、夜は真っ暗な中で星空を眺めながらお湯に浸かれるのだとか。
温泉の次に気になるといえば、やはり食事。中村屋には、広くて立派なレストランがあります。
そこでいただくのは、地元の野菜を贅沢なまでにたっぷりと使用した、滋味溢れる料理の数々。温泉に入ってサッパリした後は、ひとつひとつ手間暇かけられた彩り豊かな夕食で、身体の中からもきれいになっていきましょう。
朝食は、和洋バイキング形式。ここでも地元の野菜がたくさん用意されていて、なんだか1泊するごとに元気になれそうな気がします。
実は、レストランの入口には、夕食と朝食で使用しているすべての食材と、そしてその生産者と販売者を見ることができます。これにはきっと誰もが驚き、この宿に対する深い安心と信頼を感じることでしょう。
他にも、ペット連れで宿泊できたり、アメニティを自由に選べる小部屋があったり、ロビーの火鉢でおやつを炙って食べられたり、朝は「十勝しんむら牧場」の放牧牛乳が客室まで届けられたり、貸切で使える屋根裏部屋があったり、ひとつひとつ紹介していくとキリがないほど、中村屋のおもてなしは多岐にわたります。そのオリジナリティ溢れる発想に、宿泊客はかゆいところに手が届いたような快感を覚えずにはいられません。
また、お土産屋さん「おみやげのまるみ」に置かれている商品も、一筋縄ではいかないものがたくさん! 中村屋のオリジナル商品も多いので、ぜひ旅の思い出に連れて帰ってみては? お土産に誰かに渡しても、喜ばれそうです。
温泉目当てに訪れてみたら、温泉以外の心づくしでもいろいろとサプライズが待っている中村屋。こんなサプライズなら大歓迎! ぜひ宿泊して、この心地良さを体験してみてください。