大雪山国立公園の中にあるただひとつの自然湖、然別湖。しかも北海道でいちばん高い、標高800メートルという場所にあることから「冬の凍結が最も早く、解氷は最も遅い」と言われている湖なのです。そんな然別湖のすぐ目の前にあり、湖の四季折々の表情を眺めながら湯浴みができると評判なのが「然別湖畔温泉ホテル 風水」です。79室もの客室があるという大きなホテル、気になる温泉や食事をご紹介していきましょう。
創業65年を誇る風水。創業当時は「光風館」という温泉宿でしたが、その後の変遷を経て、平成7年に増築して新館ができたのを期に、現在の名称になりました。今も昔も変わらずこの湖畔で、地元の人や観光客から親しまれてきたホテルなのです。
1階から地下へ降りるとすぐ、大浴場の入口に行き当たります。宿泊客のみならず、日帰り温泉での利用も可能です。入浴のみの利用は税込1000円、レストランで1000円分の食事券が付いた税込1500円のセットにすれば、さらにお得です。
風水の温泉は、源泉掛け流し。浴槽に溜まった湯は茶褐色のようですが、もともとは透明の源泉が酸化して、このような色になるのだとか。
露天風呂からは、すぐ目の前にある然別湖を見ることができます。冬はまるで雪原のように真っ白ですが、実は湖。然別湖は12月中旬から氷はじめ、翌年の1月になると完全に凍結します。氷の厚さは、約70センチにも達するのだそう。
風水では、64℃の源泉を湯の流量で温度調節しています。シーズンによって異なりますが、露天風呂は44℃、内風呂は42℃、ジャグジー風呂は43℃くらいになるように細かく調節しているのです。
泉質は保温に優れていて、いつまでもぽかぽかと身体を温めてくれるので、湯冷めしづらいと評判です。身体がしっかりと温まったら、次に気になるのは食事。風水にあるレストランは、その名も「Lakeview(レイクビュー)」です。
地元の食材をなるべく使うようにしているという自慢の料理を、いくつか紹介していきましょう。
全国的にも有名になった十勝の牛とろフレークをふんだんに盛り付けた牛とろ丼は、やはり人気です。単品(税込1430円)でもいいですが、ミニ牛とろ丼と蕎麦のセット(税込1530円)もおすすめ。
珍しいところでは、岩魚のフライをハワイ風にアレンジした岩魚フライロコモコなんていかがでしょう。子どもから大人まで幅広い支持を集めるメニューです。
岩魚といえば、岩魚唐揚げAセットもおすすめです。カラッと丸揚げされた岩魚は香ばしく、頭から尻尾まですべて食べることができます。
レイクビューというレストランの名前通り、目の前に広がる然別湖を眺めながらの食事は格別です。取材に訪れた時は然別湖は凍結していて、しかりべつ湖コタンの準備が始まっていました。
そう、然別湖と言えば「しかりべつ湖コタン」を抜きにしては語れません。今や世界各国からこのシーズンを目指して観光客が集まるというしかりべつ湖コタンは、毎年1月下旬から3月下旬(令和2年は3月22日まで)、分厚い氷となった然別湖の上にできる幻の村。イグルーと呼ばれる建物が建ち並び、アイスロッジやアイスバーなども登場します。
ちなみにコタンには氷上露天風呂も登場するのですが、風水の源泉を利用しているのだそう。冷めにくい泉質なので、氷上露天風呂にはもってこいですね。
最後に、客室のご紹介もしておきましょう。前述したように風水は全79室の客室がある大きな温泉ホテルです。ただ、すべての部屋が然別湖に面しているわけではないので、気になる人は、予約の際に問い合わせてみてください。
また、79室のうち6室は、なんと180度レイクビューの特別室となっています。まるで客室そのものが、湖の上にぽっかりと浮かんでいるような感覚。こちらも気になる人はぜひ問い合わせを。風水に泊まり、ゆっくりと温泉に浸かっていると、大自然に囲まれていることは、それだけでレジャーになり得るのだと実感するはず。何もせず、ただ自然に身を委ねるような、特別な時間を味わってみてください。