「この広い北海道で、いちばんの老舗といえば?」こんな質問に答えられる人、なかなかいないかもしれません。実は、北海道十勝エリアの本別町にある「豆屋とかち」という会社が北海道の中でいちばん歴史が古いとされています。その創業は、なんと江戸時代の安政2年(1855)。
ここでふと、新たな疑問が湧くことでしょう。「北海道の歴史より長いって、どういうこと?」……これには、いろいろとワケがあるのです。(トップ写真提供:合同会社豆屋とかち 岡女堂本家)
江戸時代に創業し、神戸市に本社を構えながら、甘納豆の老舗として広く全国に認知されていた「岡女堂」。その岡女堂に転機が訪れたのは、昭和63年(1988)のことでした。現地からの強い働きかけにより、神戸から遠く離れた北海道は本別町に工場を建設したのです。
もともと、豆の産地として知られる本別町。岡女堂もかねてから原料仕入れでは十勝と縁が深く、特に本別町の良質豆は積極的に使用してきたという経緯がありました。大きな決断だったとはいえ、本別町に工場を建てるというのは必然の流れだったのかもしれません。
その後も岡女堂の工場は次々と本別町へ移転し、なんと平成3年(1991)にはすべての工場が本別町に集結しました。さらに平成7年(1995)になると、工場の近くに岡女堂駅なるものまで造ってしまったというから、驚きです。
本別工場は平成10年(1998)に独立して「とかち岡女堂」となり、現在は「合同会社豆屋とかち」が経営を受け継いでいます。こうした経緯から、豆屋とかちの創業は安政2年(1855)、実に160年以上もの歴史を持つ、おそらく北海道でいちばんの老舗であるというわけなのです。
古くから甘納豆の老舗として知られてきただけに、今もその味をしっかりと伝承しています。良質な本別の豆を使った甘納豆は、上品な甘さでついつい手が伸びちゃう!
また、甘くない豆もお茶漬けにピッタリ。豆の種類はもとより、味付けもいろいろあって、店を訪れたら迷うこと必至ですよ。
ひそかに人気を呼んでいるのが、豆のお茶。健康に良さそうで、毎日飲みたくなります。
さて、先に紹介した岡女堂駅の近くには、こんな神社も。
さてさて、店舗のある敷地内には、こ~んな建物も。
レンガ調の建物「豆ドーム」に足を踏み入れると、そこには150点以上ものおかめコレクションが!
ショッピングはもちろん、その他のお楽しみもいろいろある豆屋とかち。地元の人のみならず、観光スポットとしても人気だというのが頷けますね!