せっかく北海道に住んでいるのだから、もしくはせっかく北海道まで観光に来たのだから、他では味わえない体験をしてみたい……。そんな願いを叶えてくれるのが「ひがし大雪自然ガイドセンター」です。ひがし大雪自然ガイドセンターは、日本最大の国立公園・大雪山国立公園で自然体験活動を提供している民間非営利団体。北海道の大自然だからこそ感じられるダイナミズム、ぜひ体験してみませんか?
国内でも有数の自然が残る、大雪山国立公園。2000メートル級の山岳が連なる裾野には広大な森林が広がり、その森林の中を清流が流れ、動植物が豊かに暮らしています。そんな大雪山公園のことを知り尽くしているのが、ひがし大雪自然ガイドセンターです。
平成9年4月に任意団体として設立し、平成13年6月にNPO法人として認証されました。これまで道内外からの数多くのツアー参加者を楽しませ、人と自然とのつながりを伝えてきました。中でも人気なのが、タウシュベツ川橋梁をはじめとする、旧国鉄士幌線アーチ橋見学ツアーです。旧国鉄士幌線が廃線となって残された、点在するいくつかのアーチ橋梁。中でも崩落していくタウシュベツ川橋梁については、以前このトカチナベでも取り上げました。
北の大地の厳しい自然にさらされて、朽ちていくタウシュベツ川橋梁を実際に目にすると、それぞれの胸の中を去来するものがきっとあるはず。ツアー参加者は、雪のない時期には車で入れる場所まで移動し、ガイドの指示に従って橋梁近くまで歩いていきます。
原始の自然そのままを残したような景色は、歩いているだけで壮大な気分を味わえることでしょう。ちなみにアーチ橋ツアーの参加者は、20代から80代まで幅広い年齢層。ひとりでの参加者も多いようです。歩きやすい、多少汚れても構わない服装で臨みましょう。
タウシュベツ川橋梁は、季節ごとにまったく違った表情を見せてくれます。ただ、以前なら「この季節なら、ここが見どころ」と説明できたそうですが、最近の予測不可能な気象変動では、なかなか難しいといいます。糠平湖の水位が毎年激しく変わるため、5月下旬に水没した年もあれば、8月になっても橋梁の全景が見られた年もあるのだとか。
そんな中でも、4月末から5月上旬にかけては糠平湖が渇水しているので、毎年同じ景色を見ることができます。渇ききった糠平湖の中に威風堂々と立つタウシュベツ川橋梁は、まるで古代遺跡のような趣があります。
また、冬の時期にも毎年同じ景色を見ることができます。凍結した糠平湖上を歩く、まさに北海道ならではの体験。眼前に広がる真っ白な大雪山も、壮大で素晴らしい感動を与えてくれます。
ひがし大雪自然ガイドセンターでは、アーチ橋ツアーの他にも、さまざまな体験ツアーを展開しています。たとえば、冬の「氷上ワカサギ釣り体験」。50センチ以上もの厚さがある氷に穴を開け、釣り糸を垂らしてワカサギをねらいます。釣り用テントやポータブルトイレも用意されているので、誰もが安心して参加できそうです。
ひがし大雪自然ガイドセンターは「人と自然とのつながりを伝えてきた」と先述しましたが、何より「楽しかった!」と参加者に喜んでもらえることが、いちばんの褒め言葉だと教えてくれました。まずは、自然と親しみ、身体と心いっぱいに満喫し、楽しむこと。それが自ずと、人と自然のつながりを肌で感じることに結実していくのかもしれません。