JR帯広駅から車で約30分ほどの場所に、十勝牧場があります。十勝牧場の正式名称は「独立行政法人家畜改良センター十勝牧場」。最新技術を活用して肉用牛、乳用牛、馬、めん羊の改良増殖を行い、全国に供給している、日本の畜産業にとって重要な場所なのです。とはいえ、観光客にとっては魅力的な写真映えするスポットもたくさんあります。そこで今回は、十勝牧場の見どころをいくつか伝授! 家畜の育種改良を行う公的機関なので家畜の伝染病予防のためマナーを守って楽しんでくださいね。
道道133号線から十勝牧場へと通じる道すがら、まず目を奪われるのが道路両脇に整然と立つ白樺の木々です。
約1.3kmにわたって続くこの白樺並木は、テレビドラマなどのロケにも使われたことがある美林です。新緑の季節もいいですが、やはり北海道らしいのは雪のある風景でしょうか。
平成26年からは白樺並木再生事業のため、10年をかけて伐採と植樹を実施していく予定です。よく見ると、若い苗木がちらほらと育っています。
綿密な計画の下に生まれ変わろうとしている白樺並木。美しい景観は、こうして次世代に受け継がれていくのです。
白樺並木を抜けると、かつて診療所として使われていた建物が現れます。レトロなかわいらしい建物で、こちらもテレビドラマで使われたことがあるのだとか。
旧診療所の隣にあるのが、十勝牧場の事務所です。入口の丸太を加工した名称看板も観光名所となっています。
観光案内図や観光における注意事項を確認したら、そこからずっと奥へと進んでいきましょう。白樺並木の入口から約4.5kmほどの距離、牧場内の高台に、展望台があります。
この展望台からは、大雪山系、然別の山々、日高山系、そして十勝平野と、北海道ならではの壮大なスケールの自然をぐるり眺めることができます。また、運が良ければ放牧中の馬も同時に見られるかも。
注意すべきは、12月初旬から5月初旬までの冬季の間、積雪のため展望台が閉鎖されていること。ただし閉鎖される前に雪が降れば、こんな光景に出くわすことも可能です。
展望台の近くにあるのが、道の両側に対になって立っている夫婦柏です。音更町の銘木にも選ばれています。
また、牧場内には2本の川が流れています。パンケチン川とペンケチン川です。冬になると樹氷やけあらしといった珍しい自然現象を見ることができます。
道道133号線の南側には、めん羊舎とめん羊の放牧地があります。羊たちが草を食む姿は、いかにものどかで癒される光景。放牧が行われるのは、春から秋にかけてだそう。
冬に十勝牧場を訪れる予定があるなら、ぜひ見ておきたいのが1月中旬から2月末頃にかけて実施される馬追い運動です。
馬追い運動は、冬場の運動不足やストレス解消が目的に行われる、馬の健康管理の一環です。平日の朝9時30分から10時もしくは10時30分頃まで行われていて、一般でも見ることができます。馬追い運動開始時期には十勝牧場のホームページに見学のための詳細が掲載されます。天候や状況によって中止する場合もあるので、ねらいを定めて出かけてみてください。
いかがでしたか? 家畜の改良増殖が目的の牧場にも関わらず、観光の視点からも、かなり見どころ満載ではないでしょうか。季節によって見られる景色もかなり変わってくるので、一度訪れると今度は違う季節に再び訪れたくなるかもしれません。ぜひマナーを守って、十勝ならではの素晴らしい眺めに酔いしれてください。
訪れる前に目を通しておきたい「ご来場の皆さまへ」