帯広名物として道外の人からも認知されつつある、豚丼。たくさんの人気店がしのぎを削る中、誇りを持って「一番」と名乗る店があります。それが「帯広名物 豚丼一番 ぶたいち」(以下ぶたいち)です。なんとも可愛らしい豚のイラストと共に、その呼びやすい名称で地元から愛されているというぶたいち。人気の秘密に迫りました。
新しい元号となった令和元年5月。その5月18日に、ぶたいちはオープンから満8年を迎えました。帯広市内の豚丼を出す店としては新しい方ですが、人気は負けません。
ぶたいちの会長は帯広出身で、もともと食肉加工卸会社を営んでいました。つまり、ぶたいちは肉屋が直営する豚丼専門店だということ。肉のことをよく知っているからこそ、肉質にこだわり、道産の豚肉を厳しい目で選別して提供しているのです。
低温で熟成された肉は、炭火でじっくりと焼き上げられます。「もっとおいしくなるように」「もっとおいしくなるように」と、おいしさを追求してきた結果、オープン当初から肉が少しずつ分厚くなっていったのだとか。客からすれば、なんてありがたいこと!
こだわりは肉だけではありません。タレにもこだわっていて、なんと肉につけるタレとごはんにかけるタレを変えているのだそう。客は知らず知らずのうちに、2種類のタレが醸し出すハーモニーを楽しんでいるというわけです。
さらにぶたいちは、メニューが多いのも特徴。「豚丼専門店なんだから、豚丼でしょ?」と思って入店すると、お品書きを見て戸惑い、どれにしようか迷ってしまうこと必至なのです。
今回は、その中から「ミックス豚丼 大盛」を注文しました。分厚くて大きなロースとバラが合計8枚も乗っていて、味噌汁と漬物まで付いてきます。
肉質の素晴らしさと、食べ応えのある厚み。ひとくち食べれば甘辛いタレと炭火の風味が口いっぱいに広がり、そのままごはんをかきこみたくなります。たくさんあるメニューのうち、やはり人気なのはミックス。ロースもバラも食べたくなる気持ち、分かりますよね。
店内には「お客様への約束」という貼り紙が見られます。そこには、帯広地区「一番」の価値と高品質を目指します、との一文が。やはりぶたいちと名乗るからには、相当の覚悟と信念があるのでしょう。そんな熱い心意気を感じながら、ぜひぶたいちの豚丼を味わってみてください。