帯広市には、戦後から70年以上にわたって続いているパン工場があります。それが「有限会社 林製パン工場」です。そして同じ敷地内には、小さなパン屋さん「手作りパンのコルバ」が建っています。地元の人に愛される、毎日でも食べたくなるコルバのパン。その秘密を社長の林隆義さん(トップ写真)に伺いました。

帯広市は柏林台駅からすぐの場所にある林製パン工場。コの字型に建つ工場に包まれるように、手作りパンのコルバがあります。

創業はなんと昭和22年。戦後まだ間もない頃、アメリカから小麦粉が入るようになったため、和菓子職人だった先代がパン作りを始めたのが創業のきっかけだったそう。もともと商店にパンを卸していて、今でも学校給食や刑務所のパンを手掛けています。

平成18年からは十勝産の小麦粉にこだわっていて、現在では製造するパンの約8割が十勝産小麦を使用しています。

十勝産の小麦粉にこだわると言っても、その道はなかなか険しいものだったようです。パンに合う、強くて丈夫な小麦の品種に出会うまでには、時間を要しました。試行錯誤の末、今では「はるゆたか」や「ゆめちから」などを使用しています。

また「十勝パンを創る会」には立ち上げから参加し、会の代名詞とも言うべきパン「オドゥブレ十勝」もコルバの店頭で販売しています。しかもチーズ入り!

他にも人気のパンをいくつかご紹介していきましょう。十勝産の小豆を炊き上げた、こしあんがたっぷり入ったあんぱんは誰もが大好きな優しい甘さ。

甘党さんにおすすめなのが、シュガーパン。チョコレートとシュガーとマーガリンがトッピングされていて、育ち盛りの子どものおやつにも最適です。

おやつと言えば、こちらも人気が高い三色パン。こしあん、クリーム、チョコクリームの3つの味が一度に楽しめます。

一方、ランチに食べたいのが海老バーガーです。ぷりぷりの海老がカツになって、食べ応えも十分。お手頃な値段もありがたいですね。

ランチにおすすめのパンをもうひとつ。色鮮やかで見た目も美しい野菜たっぷりチキンサンドです。これは食べる前からテンションが上がりそう。

コルバのパンは、不思議と飽きのこない味わい。しかもリーズナブルなので、毎日でも食べたくなります。ちなみに店名の由来は、サンタクロースが住んでいると言われている、フィンランドのコルバトゥントゥリという山の名前から。おいしいパンを提供し続けているコルバは、まさにサンタクロースのような存在なのかも。

観光客がわざわざお目当てに行くようなパン屋さんではないかもしれませんが、地元にあったらうれしくて通っちゃうだろうなと思わせる……それが、きっとコルバのいちばんの魅力なのでしょう。