北海道・十勝といえば、何を思い浮かべますか?
チーズやヨーグルト、牧場で牛がのびのびと草をはむ景色……。筆者は、スーパーに並ぶに「十勝〇〇」を見つけるたび、「食の宝庫」というイメージが強まっていきます。帯広市を中央都市に広がる十勝平野には、肥沃な大地はもちろん、豊富な水源もあり、さらに国内有数の日照量を誇るのだそう。
おいしい食だけでなく、地元の人も訪れるというホテルや、観光業の起点となるキャンピングカーレンタル、さらには農業等の様々な産業に貢献するロケットの打ち上げにも取り組んでいるのだとか。
今日は、知っていそうで知らない十勝の”今”が詰った「十勝大百貨店」イベントレポートをお届けします。
まずは、魅惑の十勝グルメ!
「満寿屋商店」とろーりチーズパン。十勝産小麦100%パンに、ラクレットチーズをたっぷりとかけて、いただきます。「地産地消」をテーマに、日々パン作りに励まれています。
十勝産じゃがいものフライドポテト専門店「WORLD POTATO CLASSIC」では、十勝でつくられている20種類以上のじゃがいものなかから、5種類のじゃがいもを食べ比べ!
「メークイン」の“雪蔵2年熟成もの”や、 特長のある「マチルダ」「さやあかね」、紫色の「シャドークイーン」、黄色の「インカのめざめ」など個性豊かな5種を厳選したそう。お芋の甘さがぎゅっと詰まっています。
クラフトビール「旅のはじまりのビール by HOTEL NUPKA(ホテル ヌプカ)」は、十勝産大麦の味を存分に味わえるピルスナー。ふくよかな大麦の甘みとコクが広がり、胃袋はすっかり十勝トリップ!
デザートは「十勝野フロマージュ」のアイスクリーム。新鮮で栄養豊富な生乳からつくられたアイスクリームは、まさに十勝の恵みをうけて育った牛たちからの贈り物。甘すぎずさっぱりとした味わいが舌にしみわたります。
十勝は食だけにあらず、魅力を深掘りする体験とは
「十勝の食産業は強いのですが、観光客や旅行者はまだまだ少ない。」そう語るのは、十勝を拠点にしたキャンピングカーレンタルサービス「Vantrip(バントリップ)」の高木公平さん。キャンピングカーならではの家族旅行や写真、釣り、サイクリングなど十勝の大自然を存分に楽しむアクティビティ、特別なロケーションでの車中泊などを提案されています。
「乗用車と同じ旅ではなく、キャンピングカーだからこそ行ける場所や、出会える魅力があります。例えば、パン屋さんの隣に泊まって、朝は焼きたてのパンをいただくなど、Vantripならではの体験があるんですよ。」
「もちろん、車を貸し出すだけではなく、どこに行けば求めるアクティビティがあるのか、また、その場所の魅力を支える人との”つながる旅”をテーマに、これからのVantripを発信していきたいですね」
「十勝は十分に魅力のある場所。オシャレなものを新しくつくるより、今あるローカルな魅力を、もっと伝えていきたいです。僕やキャンピングカーがその介在者になれたら、と思います」
壮大な日高山脈の麓に広がる、十勝平野。中心都市である帯広市には、「HOTEL NUPKA(ホテルヌプカ)」があります。アイヌ語で「原野」を意味する「ヌプカ」を名に掲げ、2016年にオープンしたリノベーションホテルです。
代表の坂口琴美さんに、お話を伺いました。
「土地の魅力は、新しくつくるものではなく、そこに”人”がいることで魅力化されると思っていて。立ち上げの時は、街ごとデザインすることをミッションに、街の魅力を発信する拠点として、ホテルをつくることになりました。」
「うちは地元の方も遊びにきてくださるのですが、いつのまにかお客様と仲良くなっている、という光景をよく見かけるんですよ。私が一人ひとりのお客様と話しきれない時に、地元のお客様が、近くのお店や地域のことを話してくれていたり、とってもありがたいです。」
「これからも、街の魅力の見える化をしながらHOTEL NUPKAの目指す、”十勝の人と暮らしと旅を結ぶ”場になれたらと思います。」
食と農のトップランナー・十勝の開拓者精神は宇宙に続く!
そして今、開拓の歴史は、原野から宇宙に続こうとしています。
さて、日本の宇宙研究といえば種子島が有名ですが、とある北海道のスタートアップ企業が注目を集めています。ロケット打上げのコストダウンに挑戦する「インターステラテクノロジズ」では、JAXAをはじめ、民間企業や大学等との研究に取り組まれています。2019年5月には、国内の民間企業ではじめて、ロケットでの宇宙到達を達成しました。
そして、十勝地方にある大樹町では「宇宙のまちづくり」を掲げ、7月下旬のロケット打上げ準備が進められています。
では、なぜ北海道でロケットなのでしょうか?ヒントは、ロケットの軌道にあります。ロケットを打上げるために東南側に海が広がる地形の大樹町は、世界的にみてもロケットの研究開発や打上げにうってつけの場所。
飛行機でとかち帯広空港に着陸する私たちをむかえるのは、美しいパッチワークのような田園風景。これは、かつて未開の地を切り開いてきた入植者たちの「開拓の歴史」と切っても切り離せない風景です。
こうした新しい取り組みは、北海道を中心とした酪農や農作物に還元されるといいます。
たとえば、衛星写真による農作物の育成管理、自動操縦のトラクター、センサーでの牛の健康管理など、農×テクノロジーの分野は着々と進化を遂げています。
イベントを主催する、帯広市の芝山さんは「開拓者精神が今の十勝をつくっています。今日のイベントを通して、のんびりとした大自然や北海道グルメだけではない、十勝の魅力を感じていただけたら嬉しいです」と語ってくれました。
食や観光のイメージが強い北海道ですが、地形や気候をはじめとした地域資源をベースに、技術産業にもご注目ください!
子どもも大人も十勝を味わいつくす「十勝大百貨店」フォトレポート
2019年7月13日〜15日まで、二子玉川ライズで開催された「十勝大百貨店」。最後は、イベントの様子をフォトレポートでお届けしたいと思います。
連続テレビ小説「なつぞら」トークイベントでは2階立ち見エリアまで来場者が溢れる盛況ぶり!
ヤンマーアグリジャパンの本物のトラクターが登場!広大な土地を耕す大きなトラクター、身長よりも大きなタイヤに興味津々。フォトスポットとしても人気でした。
マーケットエリアでは、お店の方とお話しながらお買い物を楽しむ姿が。北海道からやってきた選りすぐりのグルメや、雑貨に思わず目移りしてしまいます。
ハンターである代表が自ら仕留めた鹿の革をつかった小物。靴は受注生産です。
「十勝大百貨店」をめぐる、あじわう、スタンプラリーもご用意しました。今度は、実際の北海道・十勝にしかない食やアクティビティをめぐれるといいですね!
十勝の夏、ベストシーズン到来!
これからベストシーズンの十勝を訪れるにあわせて、ぜひチェックしていただきたいのが、8月30日、31日、9月1日の3日間限定で開催される「とかちマルシェ」です。
最大の食と音楽のイベント「とかちマルシェ」は、生演奏を聞きながら、十勝産食材にこだわった料理やスイーツなど、十勝グルメが一堂に会します。地元でも普段なかなか手に取ることのできない商品や、限定メニューも数多く並ぶそう。
さぁ、子どもも大人も、まるごと十勝を召し上がれ!
【イベント詳細】
イベント名:とかちマルシェ
公式サイト:http://www.tokachimarche.com/
開催期間:2019年8月30日(金)、31日(土)、9月1日(日)の3日間
開催場所:JR帯広駅周辺(北口、南口)、南公園、とかちプラザ前
入場料:無料